中国雑感

2021-01-03 Global Consult Group

中国雑感

コロナ禍で心晴れない年明けです。人類の歴史を辿れば、天然痘、ペスト、結核、コレラなど、感染症に悩まされなかった時代はないと言っても過言ではありません。しかし今回のCOVID-19は、過去の時代とは比較にならないほど人や物の流れが速くなり大きくなった現代のグローバル化がもたらした、新しいタイプの感染症と位置付けられるのかも知れません。

10年以上前に中国の上海に駐在していた頃、2003年に発生したSARSの余韻がまだ残っており、駐在員やその家族の安全を如何に守るかという課題は多くの現地日系企業で共有されていました。幸いにも多少の混乱はあったものの、今回のようなパンデミックには至りませんでした。COVID-19は感染症の正式名称ですが、ウィルス名としてはSARS-CoV-2と正にSARSの姉妹種となっているようです。当時友人知己と「SARSの変異種によるパンデミック」の脅威を語り合っていたことを思い出さずにはいられません。

話が暗くなりますので、話題を変えましょう。中国という大国の仕組みと、中国人の普段の生活について感じたことを簡単にお話しします。先ず中国の国の仕組みで日本と違うことは、①共産党の一党独裁、②都市戸籍と農村戸籍、③档案が挙げられると思います。①は説明不要でしょう。②は意外に知られていませんが、日本の某大学の先生は、この戸籍による区分に対して「戸籍アパルトヘイト」とまで辛辣な呼び方をしていました。農村部に生まれたか、都市部に生まれたかで生活水準、教育、社会保障などに同じ国民とは思えないほど大きな差が存在します。③の档案は、日本人には馴染みがありません。私も実物は見たことがありません。多分中国人でも実物を見たことのある人は限られていると思います。档案とは国民一人一人の出生から現在までの個人情報の記録で共産党によって管理されており、本人にも非公開です。どこまでシステム化されているのかも良く分かりません。他国とは比べ物にならない位、国家による厳格な個人情報の管理が行われていることは間違いありません。上海の街角で豊かな消費生活を謳歌している市民を見ると、日本との国の仕組みの相違などあるのだろうかという気分になりますが、忘れてはならないことでしょう。

さて、中国人の普段の生活について感じたことも3つ挙げましょう。①食事への拘り、②出身地による気質の違い、③偽札です。①は良く「医食同源」と言います。若い人達は大きく変化してきているものの、ある年齢以上の人々は火を通した温かいものしか口にしませんし、常にお茶を持ち歩いてのどを潤します。昔からの知恵で感染症への配慮もあるような気がします。②は、特に上海で感じたことですが、上海の男女関係は圧倒的に女性上位です。女尊男卑と表現しても良い位です。北京や東北部に行くと、逆の傾向が強くなるように見えます。そもそも古くは普通語(標準語)もなく、地方によって言葉や民族が違うのがあたりまえの国ですので、男女関係のみならず色々な点で出身地による差があるのは当然とも言えます。さて最後の③偽札ですが、私が駐在していた10年以上前は、100元札を出すと念入りにチェックされることが間々ありました。現在はキャッシュレス決済が屋台のような店でも当たり前になって隔世の感があります。偽札が多かったという状況が新しい時代を作った面もあります。

中国や中国人に関する個人的な感懐を書いてきましたが、ここで筆を擱きます。中国はこれからも注視して行くべき大国です。また別の機会に違う観点でお話ができればと思います。

髙木 富士夫

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