魅惑の街ホーチミン

2021-01-31 Global Consult Group

魅惑の街ホーチミン

はじめに

昨今、海外展開の進出国としてベトナムが注目されています。グローバル診断士グループのブログに寄稿するにあたって、シンガポール駐在(2013年-2017年)時代によく訪れたホーチミンについてご紹介したいと思います。    

1.概要

インドシナ半島の東部に位置し東に南シナ海を望むベトナムは、北は中国、西はラオス・カンボジアと国境を接しており、南北に長い国土を持っています。ホーチミンはその南端にあり、古くからベトナムの経済的中心地として栄えている都市です。

 ベトナムは9,620万人(2019年6月時点)の人口を有しています。過去10年間で約1,000万人増加しており、あと数年で1億人を突破すると考えられています。ホーチミンの人口は現在およそ900万人で、ベトナム最大の都市になっています。ちなみに、2位は北部のハノイ(首都)で3位が中部のダナンになります。

2.日系企業の進出

社会主義国でありながら、ベトナムでは1986年以降ドイモイ政策と呼ばれる経済の自由化にむけた政策が続けられてきました。ドイモイ政策導入後、一貫して高い成長率を誇ってきた同国は1995年にASEANに加盟、さらに2007年にはWTOに加盟するに至っています。そして近年では、東南アジアの賃金高騰やチャイナプラスワンの動きから、外国資本の進出先として最も注目を浴びる国の一つに挙げられています。

ベトナムへの日系企業の進出先は、現在のところ大きく分けて北部(ハノイ近郊)と南部(ホーチミン近郊)の二つになります。北部には自動車産業をはじめ巨大なクラスターが多く存在し、それに対し南部は中小規模の製造業やサービス業の進出が多いと言われていますが、その背景にはベトナム政府による北部への誘致や中国と国境を接する北部の方が立地として有利だということがあげられます。

右図は、ホーチミン近郊の工業団地の地図です。私がよく訪問していたのは、ホーチミンから車で1時間ほどのVSIPという工場団地で、近くには、AEONやロッテのショッピングモールや駐在員向けのコンドミニアムやゴルフ場などがある広大なエリアでした。

シンガポールに駐在当時、私は半導体の二次商社に勤務していました。顧客層は中小の設備機器メーカーだったため、ターゲットのほとんどは南部に位置しており、ベトナムへ出張と言えば目的地はたいていホーチミンでした。それに対し、同業大手商社に勤務している友人たちはほとんどがハノイへの出張で、“ホーチミンには行ったことがない”と言う人が結構多かったのが記憶に残っています。

3.近代化の波

ベトナムはフランス統治下にあった時期があり、今もその頃の雰囲気を残しています。ホーチミンの市内を徘徊すると、中心部にはホーチミン人民委員会庁舎、オペラハウス、市民劇場などコロニアル建築の美しい建造物が立ち並んでいます。ホテルをとってみても、開高健が泊まったことでも有名なホテル・マジェスティック・サイゴンやホーチミンの中心にホテル・コンチネンタル・サイゴンも昔と変わらぬたたずまいで宿泊客を迎えいれています。

私が出張でよく泊まっていたホテルの近くには、隠れ家的なカフェがいくつかありました。特に私が好んで訪れた店は、外観は小汚い店舗のように見えるのですが、2階に上がるとゆったりとした空間とおしゃれなバルコニーのある素敵なカフェでした。そこの店では、中古の足踏みミシンからミシンを外して、それをテーブルとして利用していたのですが、それが何ともユニークで、また同時にレトロな雰囲気を醸し出していてとても居心地の良い空間でした。

近年、外国資本のベトナム進出に伴いホーチミンも急激な発展を遂げています。かつては、低層の店舗や住居が立ち並んでいたオペラハウスの周辺でも、今では近代的な高層のホテルがそびえ立っています。私の好きだったカフェも、いつの間にか建物ごとなくなってしまいました。もちろん、ガイドブックに載るような有名な名所や店舗はまだまだたくさんありますが、私の好きだったホーチミンの面影が変わっていくのを見るととても寂しい思いがします。

最後に

現在、ベトナムは東南アジアの中でも最も注目されている国です。街並みが変わっていくのは寂しいですが、人々の生活を考えると近代化は喜ばしいことで、景観が変わっていくのも仕方のないことです。願わくは、経済的な発展の果実を享受しながら、ホーチミンの美しい景観をできる限り残していってもらいたいものです。

吉岡裕之

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