ベジタリアン

2020-10-29
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2020-10-29 Global Consult Group

ベジタリアン

コロナ禍の中、特に飲食店は大変な苦労を余儀なくされている。一時期は政府も東京オリンピック・パラリンピック2020を目指し、訪日外国人の目標数を4,000万人に設定していたが、夢の泡と消え去ってしまった。しかしながら、コロナ禍後における訪日外国人対応に備えておくことは、飲食、宿泊、サービス業において重要な課題と言えよう。特に飲食業においては、宗教上あるいは慣習や個人の主義・思想による特殊な食事を望む外国人の訪日も考えられる。例えばイスラム教徒やベジタリアンの方々である。今回はこのうち、動物性食品を排する主義・思想である「ベジタリアニズム」について書き綴ってみる。

「ベジタリアン」という言葉はよく耳にされるのではなかろうか。一般的に「菜食主義者」と呼ばれている人々のことである。「ハラール」はイスラム教という宗教にまつわるものだが、「菜食主義」は宗教のみならず、道徳、健康、美容、環境問題や動物福祉などの観点から発生した主義・思想と言える。

ベジタリアンは「野菜だけを食べる人」というイメージがあるが、実は下記通り驚くほど色々な種類のベジタリアンが存在する。

  1. ビーガン(純粋菜食者、完全菜食主義者):獣肉・魚肉はもちろん乳製品、蜂蜜、卵等も含む動物性食品を一切取らず、革製品等動物製品の利用も避ける人々。
  2. ダイエタリー・ビーガン:ビーガンと同様に植物性食品の食事をするが、動物製品の利用を必ずしも避けようとしない人々。
  3. ラクト・ベジタリアン(乳菜食者):牛乳やバター、アイスクリーム等の乳製品も食べる人々。
  4. オボ・ベジタリアン(卵菜食者):鳥、魚や甲殻類等種類を問わず卵も食べる人々。
  5. ラクト・オボ・ベジタリアン(乳卵菜食者):乳製品と卵も食べる人々。
  6. オリエンタル・ベジタリアン(仏教系菜食主義者):菜食主義ではあるが、五葷(「ごくん」と読み、にんにく、ニラ、ラッキョウ、ねぎあるは玉葱や生姜)を摂らない人々。これらの植物は収穫することで植物自体を殺してしまうという考えに基づいている。例えばリンゴは収穫しても本体の木自体は生きているので食べてもOK。これと同じようなものとしてフルータリアン(果物常食者)という人々もいる。

ところで各国の国民人口のベジタリアンが占める割合だが、インドが一番多く31%、アジアでは台湾が10%と多く、ヨーロッパではイギリスが最も多く9%。

 

ちなみに有名人ベジタリアンとしては次のような方々がいる。

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ガンジー、ヒトラー、アインシュタイン。意外な人としては、一世を風靡した陸上選手であるカール・ルイス。筋肉隆々のイメージだが、肉や魚はもちろんミルクも卵も取らないで、あの体!! 世界新記録を出した時、彼はビーガン・ダイエットをしていたそうだ。日本人では女子プロゴルファーの横峯さくら選手、吉本新喜劇の小藪・座長、坂本龍一、イルカ、古くは上杉謙信、宮沢賢治もベジタリアンである。さらにはビートルズの4人及びオノヨーコ、ボブ・ディラン、マイケル・ジャクソン、リチャード・ギアー、メル・ギブソン、ヴァン・ゴッホ、ダライ・ラマ、孔子、などなど。カール・ルイスは意外であったが、さらに意外な人がもう一人。それは・・・なんと、なんと、ブルース・リー。

ところで以前、日本経済新聞に「和食」に関しての、海外でのネット検索結果が掲載されていた。これは海外において、インターネットの検索サイト・グーグルを使って検索された和食のキーワードをランキングしたものだが、なんと第2位に「エダマメ」がランクインしていた。しかも大豆を意味する「soybean」ではなく「edamame」として検索されているとのこと。枝豆は大豆を未成熟なうちに収穫したもので、塩ゆでにして食べることが多いが、タンパク質やカルシウムなどを含む大豆は健康食として世界的に注目されている。ベジタリアンはこれを食べることでタンパク質やカルシウムを摂取している。それにしても「edamame」で検索されているとは驚き。グーグルは「外国人が日本の居酒屋のお通しや、海外の和食レストランで食べて興味を持ち、じわじわと人気が出たのではないか」と推測しているとのこと。枝豆をメニューに入れておくとベジタリアンは大喜びするのではなかろうか。メニューの記載は「edamame」(a kind of 「soybean」)としておいては?因みに他でランクインしているのは、1位が「すし」、3位が「ラーメン」、以下「刺し身」、「天ぷら」、「焼きそば」、「餅」、「照り焼き」、「しゃぶしゃぶ」、「みそ汁」と続く。これらの和食をベジタリアンに提供するにはひと工夫が必要になると思われる。例えば「すし」はマグロの代わりに「アボガド」を使うのも一つの手だと思う。私が香港に駐在していた1983年当時、現地では生の食材は避けるべしという環境にあった。そこで、お客様あるは仲間を呼んでのホームパーティーで出していたのが、「アボガドすし」。ちょうど「トロ」のような食感で非常に喜ばれたという記憶が懐かしく蘇った。

 山本倫寛

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